ユーラシア史と動物

大陸という舞台での、人間文化・文明の発展を診るにつけ、動物との関係は深まるばかりである。ヒトも動物…と言えばそれまでだが、今回は相棒として見た場合の話である。相棒としての筆頭トリオ、それは何疑うことなく 羊 犬 馬 であろう。全てに由来はあるが、トリオのなかでも、馬 を取り上げてみたい。進化 遺伝 生物学上の定義は学術界に譲るとして、CAとしての解釈は、「平原における四足動物の疾走能力に特化し、最高度に進化適応した形態と機能を持つ科」とできる。そういった性質ゆえ、人間生活の3側面(農耕 移動 戦争)でのヒトの非力さを補ってきた役割は絶大といえる。文明化への歴史のなかで密接に寄り添っていた訳である。逆にいえば、馬も安定して食べる為、とも言えなくはない。そういった様相を如実に現す言葉も多く残っており、馬力 人馬一体 天高く馬肥ゆる秋 等、挙げれば際限はない。正に、生活の基準になっていたのだ。

人間生活の最高の助っ人「馬」の象徴能力、疾走性を唯一評価点とし、併せてヒト特有の遊び心(投企性)をくすぐる世界、これこそ競馬の真骨頂となる。ちなみに、競馬の最高峰G1におけるマイルレース、この1.6㎞が馬の速度持久力の限界距離であることをご存知であろうか。動物界最速、といわれる由縁も納得である。そしてその疾走を可能にする四足歩法が、ギャロップ(襲歩)☆となる。

☆襲歩とは、四足動物の体肢操作法の中で、速い移動に最も適応した脚(足)捌き法

”速さこそ馬 馬こそ速さ” ヒトが最も依存して来た側面も正にそこにある。速さの利用、それはそのまま「乗る」ことに繋がる。乗馬 騎馬 ~ 馬車を用いる慣習の登場となり、再びコーチへの接近である。古代ギリシャのギムナシオンでは、次代を担う青少年教育の中核カリキュラムに坐していたことも事実であり、重要性が垣間見られるであろう。近代オリンピックに乗馬術が残ることも、最大の証になる。

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