大陸眼形成3
「語源探求」
日常、当たり前に使われる慣用語に取り囲まれて生きていますが、その表現が創られて来た背景を識るにつけ、言語世界の奥深さと人間知の構造に感じさせられます。今回は、テーマの大陸眼にまつわる代表名称の語源探求をしたいと思います。
文化文明の揺り籠であり、世界最大の大陸、その名はユーラシア。この語源と言いますか、解字(語)をしてみたいと思います。
ユーラシア
ユーラ シア
ユーロ アシア
ヨーロッパ アジア
となり、ヨーロッパからアジアに至る意を含ませた合成語ということが分かります。続いて、ヨーロッパとは何故にヨーロッパなのか。少しの歴史を紐解きますと、ローマ共和国建国から遡ること約500年。地中海世界は、ギリシャとフェニキア(現シリアの位置する地に存在した海洋国家)の二大勢力により統治されていましたが、そのフェニキアの王女名がエウロベであったことに由来する説が有力です。今となっては、当たり前のヨーロッパ、何故か抱かせられる、憧れのヨーロッパ。現在にも続く礎を築いた、その人。名は、ジュリアス シーザー。この歴史に名を遺す名将が、古代ローマ帝国の国土基盤を完成し(BC50前後)、覇権を地中海を取り巻く全域に行き渡らせた張本人です。ヨーロッパを創った人と言っても過言ではないでしょう。そして、当時に形成された民族(氏族)差を越えた統合の精神こそが、二度の世界大戦を経てすら堅持される、ヨーロッパ諸国の拠り所です。EC EUに連なる歴史は、それを如実に物語る訳です。
この現象をCAとしては、ローマンシンドローム と名付けることとします。
「歴史を識らずして、今が分かることはない」 その通りでしょう。
残るはアジア。アジアに関しては、解釈や定義が極大化しており、結論収拾は難しいと言わざるを得ません。語源はラテン語(イタリア発祥)であり、含意はオリエントとほぼ重なることになります。ユーラシアを二極で捉えつつ、その交雑を診ると、その中に日本文化の原型が透けてきます。