大陸眼形成

逍遥 #2

地政学と申しますが、ヒトの生存拠点の特性が及ぼす活動成果への影響を云々するのも今更でありましょう。
どの世界に生きようとも、「生命は環境の申し子」、の言葉の通り、有効性も限界性もそこに規定される訳です。
その眼を持ってあらためて日本国、日本列島を眺めて診ると、”極東の島国”という属性を再認識させられます。
この環境こそが、日本文化醸成の源泉であることに疑う余地はありませんので、貴重この上なしです。
地震と台風は避けられないタンコブではありますが・・・

今回この話を持ち出すのは、外でもなく、自然の要害である日本海が作ってしまう、大陸文化、民族との没交渉に注目したいのです。
単民族(これからはハイブリッド時代?)、平和安寧は是としても、大陸での戦争と移動を中心とした揺籃経験の欠如は、人間的感性の偏りに繋がっているのも事実であります。
悪く表現するならば

「島国根性」

となるでしょうし、日本人ほど自国を識らないと揶揄されてきています。
この事態は環境だから仕方ない・・・
とも出来ますが、中世の世界帝国”元”が創造したような、ボーダレス一途時代の中で、その弱点を見過ごし続けることはもう終わりにしたいと想うのです。

これこそ、「日本人の知的アキレス腱」と名付けます。

今我々が手にしたい弱点への絆創膏、それが掲げたところの”大陸眼”です。
平たく言い換えると、”ユーラシアより日本を眺める眼”となります。

事実、日本文化と言いながらも、その出典は全て大陸由来であることに気付く訳です。
やや飛躍した感もあるかもしれませんが、眼前の指導感性の飛躍の言葉通り、日本海を飛び越えた俯瞰力はどうしても持ちたいのです。

一つの具体例を挙げますと、コーチ(coach)の語源は、古代ローマ帝国にあり・・・と識る時、同時に、地中海に生きる、という境涯に想いを馳せる縦横無尽なる感性といえば的を得ていると思います。

この大陸眼形成という言葉、行為を正面から捉えていただいたCoaching Arts読者に、その日本に居ながらの形成法をお伝えします。

★一定評価のある作者の手による、大陸を舞台とした史実に近い著作物に、臨場感を持って多く親しむこと。

推薦作者 塩野七生 (日本人で唯一イタリア文化勲章受章 イタリア在住)

(→旅行や研修、留学で海外に行くことは唯一無二ではありますが、事前の背景認識の状態によって、この価値は数倍に上昇します。)

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