ゲルマン魂 Ⅲ

 ドイツ ゲルマン プロシア チュートン どれも今にすれば、同義と言えるかもしれません。欧州圏の言語発生と創造は、その各々の民族性とアイデンティティーとの絡みの中で、あまりに重層ゆえ、立ち入ることが非常に困難な領域です。アイデンティティーは名訳がありますので、ご紹介します。それは、『心理的自己完結』でありますが、付随解釈は皆さんにお任せします。日本人には当たり前過ぎて意識にも上りませんが、民族(氏族/家柄/家系)とアイデンティティーの問題は、歴史を動かす力の源泉、とも診え、重要視する対象です。

 この場合、心理的にはそのまま”母語”の創造・保持・統一に繋がります。日本の明治期にもそうであったように、近代国家形成のための第一歩の仕事です。ドイツ圏でこの任に当たったのが、ご存知”グリム兄弟”で、有名なグリム童話はその象徴的成果物と言えます。彼らはその童話集を様々な地方の図書館司書をしながら、その土地々に残る、メルヘン・昔話を収集して作り上げたのです。その動機は、正に「来るべき共同体の精神的支え」とする為、でありました。実質的に、現ドイツ語と言われるものの原点を創ったと言え、ゲルマン魂にとっては大事な仕事でした。生誕が1785年ですから、隣国のフランス革命の数年前であり、自由への情熱が中世を近世近代へ変革させるエネルギーに昇華した時代です。

 ちなみに、フランス革命の首謀者は、そのままアメリカ独立戦争の中心者であった事実もお伝えしておきます。世界的気運とは、こういう事なのだと感じられます。民族精神としての言語統一と来れば、次は”教育”です。近代国家の骨格は国民の身体であがなう、との認識から身体教育は必須教科となり、多くの”体育思想家”を輩出しました。最著名な グーツムーツ や ヤーン は、その代表格で、世界に流布した『ドイツ体操』の基礎は彼らが創ったものです。このドイツ体操と、北欧(スウェーデン/デンマーク)体操は相互に影響を与えながら、現体操競技 の原点となっています。詳しい内容は次回に譲るとしても、騎士の体術 と 北欧圏の民族特性 が色濃く反映されていることは良く分かります。そしてそれは決して他人事ではなく、今に繋がる日本の近代体育や軍隊訓練に輸入・応用されて来ており、縁が深いのです。戦後の”ラジオ体操” ”体操ニッポン”は、ゲルマン魂がルーツになっている事、忘れてはならないでしょう。

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