「生長の家」 谷口雅春

 1930年(昭和5年)に創設された、いわゆる新興宗教であります。一部紹介しますと、聖典は、『生命の実相:全40巻』と聖経「甘露の法雨」が中心であり、生命の実相は、世界で1900万部を売り上げたロングセラーになっています。また、本部は山梨県北杜市、総本山は長崎県西海市、国内会員数は38万人の規模です。教義の根本は、言葉ー瞑想ー感謝 に据えられており、仏教・神道・キリスト教・イスラム教等のあらゆる要素が汲まれた結果の”光明思想”が、その中核でありましょう。現在は、三代目の雅宣氏(雅春氏の孫)が総裁を務めています。成立した時代に返れば、世界規模での大恐慌の最中であり、日本もその余波は大いに引き受けていました。226事件前夜と言いますと、分かりやすいと思います。故に、せめてもの救世主が求められていた時代背景もその要因に挙げられる筈です。事実、他にも近似した実践思想が多く立ち上がっています。

 今回、生長の家を書いた理由は、”光明思想”というキーワードを取り上げたかった為です。この表現ですとあたかも宗教臭が漂うのですが、”自己啓発・積極思考・ポジティブシンキング”と言い換えれば、聞こえが良いのかもしれませんし、流れは同じと言えます。光明思想自体は当然に深く広いもので、関連だけ拾えば、脳科学/フロイト/真言密教:般若心経(空海)/素粒子物理学 等を包摂していることを考えると、自己啓発論の国内発生源と出来るかもしれません。同じく知られる”中村天風”も、ここに位置する方であります。これらの領域は、今ではビジネスコーチングや、マインドフルネスに引き継がれ、今に至っていることはお分かりと思います。

 話はここで終わりません。この光明思想を創設した谷口雅春氏も、当然に何かに影響された訳ですが、足跡から視て明らかなものは、米国?ニューソート/大本教 の両者です。特に、ミカエル・セルヴェトゥス/スウェデンボルグに発想源流を持ち、ルター・カルヴァン宗教改革と連関するニューソートとの繋がりは、注目に値しますニューソートは、云うならば、変形プロテスタント流派とも診える訳です。この流派が、新興国アメリカの自由思想と、近代工業国家構築におけるアメリカンドリームの沃野の中で、独自のレゾンデートルを持っていったことは正に歴史と言えるでしょう。デール・カーネギー/ナポレオンヒルなどは、この時代の代表的アメリカ人になっています。光明思想がこの思想的流れを汲みつつ、更に東洋知と融合された成果物であること、また、意念・瞑想(イメージ)・言語の創るエネルギーの脳/素粒子論解釈の進歩を見るにつけ、今更ながらの興味の矛先となっています。

興味を持たれた方、是非突っ込んで視てください(^-^)

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