水に学び 水に想う2

 引き続きます。

 前回は、海洋国家「日本」としての自覚まで書きましたが、今回はより生存の足元に迫ってみたいと思います。

 映画「グラン・ブルー」をご存知でしょうか?リュック・ベッソン監督で、1988年公開のフランス/イタリア合同作品です。内容はご存知の通り、フリーダイビングの元祖”ジャックマイヨール”の来歴を描いたもので、作品上では「ジャックとエンゾ:ともに実名」の出会いとダイビング記録の攻防を、美しい海に魅せられつつ進む、海洋哺乳類”イルカ”との交流、そしてジョアンナとの恋愛の背景で描いています。実際のジャックは、日本(千葉県外房)での生活歴もあり、我々にも非常に身近に感じるヒトです。この映画の紹介と同時にお話したいことは、ジャックの「水」という母なる進化母体を切欠とした、自然回帰思想であります。彼は、水と圧に同化し呼吸と恐怖を制するという感性を得て、世界初の100m素潜りを達成しましたが、その実態は決して生粋のコンペティターではなく、求道者でありました。その求道・トレーニング過程においては、東洋(印度/中国/日本の枠)の”禅ーヨガ”世界に傾倒し、独特の呼吸法を体得していました。また、「ホモ・デルフィス(イルカ的人間)」を標榜し、海洋生物への回帰と同類(哺乳類)との親和行為が見せた、本能性は特筆に値することです。この本能性は、まさに無意識であり、言語/デジタル/脳/ルール といった領域以前の大いなる存在基盤になっています。ここはせめてもの開拓を待っている世界であること、読者の皆さんと共有したいと考えています。

 この足跡は世界に伝搬し、以降の”フリーダイビング”の拡大に繋がったことは、言うまでもありません。国内では、沖縄を中心に多くのダイバーが活動していますし、日本人特性の”堪え性”が功を奏してか、世界レベルの人材も輩出されているようです。中でもその立役者とも言える篠宮龍三”さんには注目しており、彼の著書「素潜り日本一」光文社新書 内で”海は自分の心を映し出す「鏡」”と書かれている辺り、とても響く表現として捉えています。これも一つのシーマンシップなのでありましょう。やや歴史を遡れば、こういった水(:海)とヒトとの関わりは、ビーチコーマと貨幣としての塩を経由して、「海女」にまで繋がって来ます。実は海女こそが、水と生きる人間 を如実に現す姿であると言え、現代にも引き継がれている貴重な世界です。海女文化は日本と韓国特有のものでありますが、その原点はどこにあったのか、手掛かりは非常に薄く限られるものの、自身の好奇心は揺さぶられています。しかし昨今、この領域にエビデンス眼が注がれていることはご存知でしょうか?

 まつわる重要キーワードは、圧力 温度 呼吸 になっています。少なくとも、進化と適応という生物変化様相に大きく関わるテーマであり、日常の生活認識にも迫ってくるものと感じています。もし、知りたいという方が読者にいらっしゃれば、具体的にご紹介しようと思います。

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