食 と 性 2
続きます。
生きる根源動機である”子孫繁栄” 生存エネルギーの源泉たる「性」への正当なる理解と教育は、避けてはいけない重要テーマとなっています。その任は、学校はもちろんのこと、社会全体に課されていることでしょう。例え、ヒトの性衝動は、本能から行為・趣向へと変わっている、とは言え、遺伝的に備わった普遍性は絶対に拭い去ることは出来ません。特に身体に関わる立場にいる方々が持つべき、重要認識を挙げますと、生物の上陸劇における四肢進化の原因の多くが、生殖であった事実、そしてその痕跡証拠として残るHOX配列など、枚挙にいとまがないという実態です。まさに、「動物人間」の輪郭が、文明性など凌駕して現れてくるのです。フロイトの精神分析は、そういったヒトの無意識なる動物的性衝動を捉えつつ、ギリシャ神話になぞらえて表現していますが、世紀の大功績と言われるに相応しいものだと思います。以前にも書きましたが、ギリシャ神話と「巫女」の精神性は、人間世界の原点である事、今更に振り返る時代なのです。
翻って、「食」を考えます。少なくとも、戦後人、飽食時代を生きる我々には到底に実感不能ではありますが、日本人も75年前までは、餓えていた、のです。それ以前の人類史では、一度も飽食などという厚遇には恵まれて来ていません。戦後日本人の体格向上の最大要因は、ここに存在します。それを克服したいがために、何度も戦争に突入した、いや、せざるを得なかったという事実です。この現象自体、動物性そのままであると、想いませんか?科学だ、ITだ、先進国だ、脳だ、と言いながらも、その裏で食と性に奔走する人間像こそ、基盤であり、エネルギーなのです。担うのは、「臓器志向」だけでありますし、その進化順序性を痛いほどに感じて欲しいことです。最近になってやっと、単なる消化吸収機能だけで片付けられていた臓器群が、もっと大きな働きをしている様子を見せ始めています。故に、これからのコンディショニング??は、「内臓発想」から立ち上げることになるでしょう。