漫画 まんが マンガ

『漫』:みちる はびこる みだりに そぞろに なんとなく とりとめなく

解字 ➡ 長いベールを目に被せた様 ながく一面を覆う 

『画』:えがく くぎる はかる かぎる

解字 ➡ 筆を使って、田のまわりの区画を記す

 これらを会意してみますと、”とりとめなく画いた絵” 辺りが当たるかもしれません。これはあくまでも、字義ですから、現在の我々が持つ漫画文化認識とはズレるような気がします。どちらかと言うと、風刺画一枚を指す言葉であるように思います。日本の漫画は、世界に評価され独り歩きの様相ですが、聖地:秋葉原には絶対的に欠かせないモノでしょう。しかしそうは言ってみても、国内では漫画の文化地位は決して高いとは出来ないのも事実であります。子供のいる家庭で良く聴かれる言葉に、「漫画ばっかり読んでないで、勉強しなさい!」といったフレーズがありますが、それが象徴していると想われます。今日は、そんな一見の『誤解』を払拭してみたいのです。

 漫画も立派な創作作品ですから、作者は”漫画作家”と言われ、日々に作画とセリフによる表現に費やすことで診れば、小説作家となんら違いはありません。絵心と言葉づくり、というマルチな感性を求められる難しさは、独特な領域と言えるでしょう。では、名作家と言われる方々の共通項は何か?生得的素養を抜きにして考えた場合、それは”基礎研究/基礎資料収集”の膨大さ、に他なりません。日本の漫画史を紐解いてみても、名を遺す漫画作家は怪物と言えるほどの巨大なる背景を持っています。その英知からの一滴が作品に込められて来る訳ですから、受け取る読者も楽しさ、面白さは当然ながらも、見えない積み重なった苦労に想いを馳せて欲しいと思います。事実、セリフ一つが世界的名著からの何気ない引用であったりすることや、シーン一つの描写が隠された凄まじい歴史考証の結果であること、を考えると、名作漫画は学びの宝庫なのであります。

 しかも、絵という2次元情報の付加は、我々の理解への大いなる補助輪となる意味では、有難いかぎりです。動画アニメーション~3Dとなれば、なおさらです。戦前~戦後期を越えて来ている漫画作家の多くは、漫画/映画/動画以前の”紙芝居”出身であり、作画の修羅場をくぐり抜けて来ていることを考え合わせると、納得の表現力と言えます。作画の説得力が無いと、子供たちは目の前で帰ってしまいますから、必死のパッチに描くことになります。それはそれは鍛えられたことでありましょう。また、作風・領域に眼を遣るならば、その”広さ”に驚かされることも多いです。いわゆる、否が応でも”博識道”を進むことになります。結果的に物事の描写表現がより真に迫り、専門研究者を凌駕する認識に至る訳です。ここでも、ヒトの感性発展を願うに際しての、視点拡大の法則が顔を見せています。含めて伝えたいことは、『専門研究より、創作力』の一言です。以下に、個人的趣向での作家紹介をします。あまりにも有名ですから、今更ではありますが、漫画の力を見直す意味で捉えていただければと思います。

 手塚治虫:あらゆる領域を凌駕した天才漫画家

 白土三平:忍者モノの実態と時代考証は精緻

 水木しげる:ゲゲゲに代表される化け物研究背景は一流で、その矛先は中国文化にまで至る。

 さいとうたかお:ゴルゴ13は、外務省テロ対策の象徴

 石ノ森章太郎:手塚治虫を追い掛けて突っ走った人生

 長谷川町子:圧巻のサザエさんと、起承転結力

 宮崎駿:世界のアニメーター

 まだまだ多くの先達がいらっしゃいますが、当方眼での推薦ということで理解ください。こういった作品群にはなかなか出会えなくなって来ていますが、街中の”ブックオフ”に出向けばまだ開くことが出来る筈です。ちなみに、こう書いている私自身は、神田古本街の中心にある、古書センタービル2階にある”夢野書店”が行きつけの場となっています。ここは、戦前から現代に至るまでの漫画世界の博物館のような書店であり、名作と歴史に没入させてくれる貴重なところです。是非一度足を向けていただければ、この想いに共感してもらえると思います。

『名作漫画は、学びの宝庫』

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