内臓力4
現代の”脳至上主義”は、上肢の自由度と脳発達(仮説)が裏打ちしており、その最高峰現象は、間違いなく『言語』です。人間の言語能力を際立たせる意味でも、対極としての”内臓力”を確保することは欠かせません。「脳と腸」なる並記は、正に好対照な表現と言えるでしょう。全体を、動物性器官と植物性器官に分けて診ようとする意図は、そのままそこへ適合することになります。相互の関係性を示すには、中華の陰陽 内外 剛柔 が如実でありましょう。有機存在を形作る陰性 前提条件 背景に眼を遣る思考性は、deep learning に対する、deep existing と現わします。
ここで、内臓の解剖(腑分け)視点を紹介します。
東洋医学 五臓(心 肝 脾 肺 腎)六腑(胃 小腸 大腸 胆嚢 膀胱 三焦)※三焦の場は不明
西洋医学 呼吸器系 消化器系 泌尿器系 生殖器系 内分泌系 ◎前出
東洋医学の五臓六腑を、五行に配当しその相生相克を診ようとする論理は、古代からの漢方世界と共に悠久不変の人類財です。中華の『漢』帝国時代に、如何にして体系化されたのか、考古学 史学に依存するばかりではありますが、その興味は尽きません。始皇帝墓や馬王堆出土資料は、せめてのも依るすべですし、文献としての”本草綱目”が大いなる接点となる訳です。本邦も、遣隋使・遣唐使を初めとし、曲直瀬道三はその中興の祖として捉える必要があるでしょう。現代に於いては、クモの巣と言われる臓器間ネットワークの解明研究が為されており、更に明らかにするものと想われます。ここで言えますことは、内臓状態の表出としての”連関痛”と、場としてのデルマトームと経絡経穴の繋がりについてです。動物性と植物性(体壁系と内臓系)の架け橋ともなっているこの機能は、内臓力への間接関与にとって重要なポイントとなります。
3の最後にも書きましたが、内臓力の主役は、上記5分割の中の 呼吸器系 と 消化器系 です。この5分割に心臓を代表とする 循環器 は入らないことの意味は重要で、植物性 と 動物性 を分ける線引きはここに為されます。