『言語化ブーム』に想う

 デジタル時代一途の世相と思いきや、言語/言語化/思考/具体・抽象/認識/比喩/表現 なる、アナログ感性に属することが見直されているようです。特に、TBSのテレビ番組”プレバト”夏井先生に象徴される、俳句ブームはその最たる現象と視えています。五七調は日本文化が育んだ独自のリズム感であり、身心の隅々まで沁みています。この伝承継承は、我々のアイデンティティーを成す大事な行為ゆえ、大いに歓迎されることです。五七調自体を取り上げるならば、言語世界を越え、上記した動きのリズム感性にまで影響していることを踏まえると、事は一挙に学際領域へ拡がります。それは、音ー言語ー動作 の三重奏を意味する訳ですが、話の意図から逸れるので、以降に譲ります。

 同様に、ビジネス・スポーツ界などでも、パフォーマンス創造における言語化能力の有効性が云われています。そこの意図は、思考整理・抽象化・認識表現・わざ言語・コーチング 等、に集約されるようです。自身も、ヒトの身心能力開発や行為への膨大エネルギーとしての実態を、生々しく捉えているゆえ、正に共感しつつ、メタフィジカルコーチングの必須要素に引き上がる様を診ています。その意味で言えば、指導者・コーチ・経営者の教養としての言語感性は、文部科学省の国語教育を越えた学びの対象となるでしょう。

 こういった注目は、現代生活での「知の道具」としての運用と工夫が発端になりますが、同時に、ヒトの存在と言語 という本源を想い起させることに繋がります。当然にこの底辺は、せめてもの”言語学”に収束する訳ですが、言語の淵に立つことは、コーチの指導力/感性/教養を磨くに際し、最も必要なる訓練であると思います。ここで好奇心が動かされた方がいるようでしたら、言語学者のベルリッツ一家をご紹介します。これはいわゆる日本にも存在する”ベルリッツ言語スクール”の創始者である、マクシミリアン・ベルリッツと孫のチャールズ・ベルリッツを指しています。特にマクシミリアンは、数十か国語を独自の方法でマスターし、世界の言語に潜む共通的構造を捉えた業績は世界的なものです。また、こういった捉え方と同時に、”エネルギーとしての言語” は、より臨床に適応する診方であります。上記の内容と関連しますが、抽象形状・音素・振動・気・意識 → 意味・認識 → 脳神経 といった連関で説明しようとするならば、理解の切欠が立ち上がる筈です。

どこまで行っても解決し得ない現象ではありますが、長時間読書の後の独特の疲労感 は、言語エネルギーを実感させるものでしょう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

11 + 7 =