新選組(土方歳三)と 掃除習慣
NHKを視聴された方は、「あっ!」と反応されるかもしれません。そう、あのお話を、一部深読みしようとする意図であります。最近、メディアでも歴史モノが多く作成されているのは、お気付きのことと思います、一見の文明化加速と見得るなかでも、回帰の意識は必要なことだと痛感します。地球史から診ても、ヒト科の発生は最近のこと。その属性は、古代から何も変わっていないのですから・・・・
ここで深読みしたい内容は、土方歳三の美肌?ではなく、その兵法(剣術)の熟達に関わることです。歴史の流れから日本武術史を眺めれば、戦国時代 → 江戸末期 → 明治期 → 昭和20年8月15日 は、押さえる時代ポイントになります。詳しくは、各々に掘っていただくとして、少なくとも新選組は、江戸太平の世相に、再びの日本武術を含めた戦闘精神を復活させた役割が大きいです。また、逆から診れば、”どさくさ紛れの成り上がり者集団”という実態として捉えておくことも無意味ではありません。この双方から立ち上げる群像が、的を得ているでしょう。では、その新選組リーダーの土方の清掃習慣と兵法(剣術)がどのように関係したのか、ということです。番組では、「空間認知性」と表現していましたが、そういう私も同意賛成します。生活環境整備と、それが引き起こす身心変化まで広げると遠大過ぎるので、敢えて”認知”になぞらえて書きます。家屋の清掃は、上 下 側面 裏 角 先 と、隅々まで手を道具を伸ばし、走らせ、行き届かせる訳です。そうすると、あらゆる場に「気」を遣り、接触することになり、自身の通常生活における存在領域が大幅に精緻化かつ拡大化します。それは、身体を中心とした空間における、気付きの点/面/線を増やすことに繋がり、総じて 空間認知性 が広く、かつ鋭くなるという現象が現れます。その豊かな空間性は、戦闘時の対人対峙でも十全に活かされることは間違いありません。もっと直接的に表現すれば、「自らの手が経験した場」なのです。重要点は、正に 手 であります!!この哲学的言葉や無関係に見える行為に、全てが含まれている事実を見るにつけ、「基礎とは何か?」というテーマに引き戻されるのは私だけではない筈です。奇しくも、映画「ベストキッド」の宮城さんの指導法も、同じ波動が感じられます。現代で言うならば、スポーツ活動なるものを、変に特別視して運用してしまうことの不毛さ、肝に銘じたいと感じさせてくれる新選組であります。