知的アキレス腱

 かしげたくなる表現かもしれません。意図することは、ヒトの知性感性は、「どう診えるか」が全てという、どこにでもある認識です。しかし、あまり陳腐な内容でも面白くありませんので、少し食い入ってみたいと思います。

 日本人にとって知的アキレス腱になっていることとは、如何なる対象でしょうか? 先進国/文明国家として存在しながらも、盲点であり続けることで、払拭は相当なる努力が要されることになると思います。それは一般人含め、学者・教育者・政治家・事業家等、全ての立ち位置に共通する日本人としての性(:さが)となっています。理由は明確で、以下の3つがその背景を創っています。1⃣ 島国根性による過度拝外 2⃣ 大東亜戦争敗戦 3⃣ 英国至上主義 が骨格でありましょう。では、アキレス腱の実態は何かと言いますと、『ユーラシアの理解』そのままであり、大陸から日本列島を診る眼、とも言い換えられます。中国はおろか、モンゴル シルクロード インド 東南アジア 中央アジア エジプト ギリシャ EU(地中海世界)と、広大に拡がる大地であり、日本文化の母でもあります。ヒトの感性機能の仕組みは、相対的に見たとき始めて認識として立ち上がる、とアインシュタインが言うように、極東からの視点/大陸からの視点 を双方からぶつける時、我々の意味がより現実に沿ったものとして分かって来ると想われます。そういった確度ある視方を持つには、やはり通常とは違った行為が必要ですが、少なくとも高校教育における世界史暗記・受験対策のなかには存在しないことは違いありません。

 そう言うからのアキレス腱強化への具体的提案は、無為無知なる海外旅行ではなく、力ある小説や歴史地図に積極的に触れ、時間/空間ともに大陸へ没入すること以外にはないと思います。そしてそれを実地に確認するような旅行は、数倍の価値になるでしょう。現状から未来への日本を考えると、EUの基盤になっている地中海世界への理解拡充は、必須の要件となっています。

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