本当の ラストサムライ 2
天皇 と 侍 さむらい サムライ の単語に乗せられた日本文化への世界的畏敬は、映画『ラストサムライ』が如実であります。創らせる精神構造は、嫉妬と羨望が支柱となっていることを疑う余地はないでしょう。さすがのGHQも消しきれなかった、そのアイデンティティーの強さと深さの実証は、再び東日本大震災時に世界へ喧伝されたことは記憶に新しいことです。以降も、形 認識は変われど、日本円と同格に世界での存在感を示し続けると思います。
前回よりのお話は、サムライ系譜の中でも、”取り”を飾る、予科練のご紹介でした。では、この予科練に直接的に繋がる歴史的なものは、何だとお考えでしょうか?あくまでも私見ではありますが、私は「会津白虎隊」だと考えています。彼らの正式名称は、少年斥候隊であり、新政府軍の偵察が任務でありました。名前の 白虎 は、中華思想「易経」の由来の神獣であり、白/西方を表す言葉になっています。詳しい歴史内容は専門書に譲りますが、その基盤の精神性や行為は、サムライの象徴と言えるでしょう。国内での扱われ方も、ほぼ同音であります。有名な歌”白虎隊”は、毎度痺れるような気持ちで聴いています。会津の地は元来、蝦夷を代表とする北方戦略の拠点であり、武勇の集まるところでもありました。いわゆる、征夷大将軍 という役職も、ここから始まるのであります。また、日本柔術史には必須の 武田惣角 が、この地から出ていることも決して偶然ではありません。
更に重要なことは、白虎隊が世界に流布する”ボーイスカウト”の発想起点である事実であります。それを聴いて、直感的に啓く方も多いかと思いますが、時は帝国主義全盛であり、近代国家を支える強い軍事力の保持が植民化されない必要条件になっていたのです。故に、強い男子/兵隊を教育訓練することは至上命題であり、その教育の中心は体育が担っていました。ボーイスカウトの共通スタイルを思い起こせば、殆ど陸軍ですから、自明であります。同時に、この文化移入を行なったのは、奇しくも大英帝国なのです。その辺りの欧米諸国の国民体育の様子は、当時の日本陸軍戸山学校により、調べられています。
こういったことも、のっけに書いた、ラストサムライ現象と全くに同じ意図と聴けば、時代は変われど・・・との言うことが良くお分かりになってくるでしょう。実際に、現英国/米国の最警戒国家は、JAPANであり続けています。以前に、ゲルマン魂を書きましたが、時代もテーマも、この話も当然に重なります。